福岡家庭裁判所小倉支部 平成4年(家)106号 審判 1992年5月14日
申立人 佐藤万智子
相手方 金信明
主文
未成年者佐藤義人の親権者を申立人と定める。
理由
1 申立ての要旨
(1) 申立人と相手方とは昭和63年12月15日協議離婚届を出して離婚したが、相手方の国籍が朝鮮であったため未成年者の親権者は当時の日本の法例と朝鮮の親子法により父母の共同親権とされて、親権者の指定はなされていなかった。
(2) ところが、平成2年1月1日に改正法例が施行されるようになり、親子関係につき新法例21条により未成年者の本国法である日本法が適用されることになり、日本民法819条1項により協議離婚の際は協議によって父母の一方を親権者と定めなければならないようになっているが、その定めがなされていない状態となっている。
それで、申立人ほ未成年者の親権者の指定をしようとしたが未成年者の父の所在が不明であり、協議による親権者の指定が不可能であり、申立人が未成年者を現実に引き取り、養育しているので、申立人は、未成年者の親権者を申立人に指定することを求めて本件申立てに至っているものである。
2 当裁判所の判断
一件記録によれば、上記1の(1)、(2)の事実の全てを認めることが出来、未成年者の福祉のためには、未成年者の親権者を申立人と定めるのが相当であるので、法例21条、民法819条1項、5項により、主文のとおり審判する。
(家事審判官 大嶋恵)